能楽いろは

来る10月29日(水)に、賢郎師が、シテを務める「枕慈童」で舞われるのにあわせて、「楽(ガク)」を取り上げてみました。

楽(ガク)

謡ではなく、笛の旋律、「楽(ガク)」という音楽に合わせて舞う、
中の舞、序の舞、男舞、神舞と同じく舞事の一つです。

その名の通り「楽しく」「浮き立つ」音楽で、多くの場合、中国を
舞台や題材にした作品に用いられています。

足拍子を多用する舞事で、「枕慈童」の場合、酒に酔って菊に
戯れながら、楽しく嬉しく舞う姿を表します。

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梅枝

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黒塚

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後見

よく知られている役割としては、舞台上でシテの装束(扮装)を替える、
扇、太刀などの持ち物を「捨テル」際に舞台上から「引キ」上げる、
また作り物の出し入れなど、進行中の舞台の手助けをします。
シテの演技の内面的な部分ではなく表面的な部分を助ける役割です。


歌舞伎などの「黒子」と違い、進行を妨げないように、目立たず、
無駄なく、美しく、あらなければなりません。
型の様では目立ちしますし、事務的にやればだらしなくなります。
役目を果たしながら自分を消す様に美しく、です。


そうあるためには、その能を知っているだけでなく物語の機微を
完璧に理解している必要があります。
また、万が一、シテが演技を続けるのに支障が生じた場合は、
舞台を引き継ぎ演技を行わなければらないという重責を担っています。
ですから、本来はその能を舞った経験のある人が務めるとされて
います(現在は必ずしもそうでない場合もありますが...)。

地頭(じがしら)

舞台に広がる情景には、シテが描く部分と地謡が描く部分があります。
能一番の謡の量としては地謡はシテよりも多いため、様々な役目の中でも
一曲の景色を描くという点で、地謡の力は必然的に大変重要なものとなります。

その中で、地頭は地謡方をリードしていく立場です。
地謡方の謡の源となりながら、シテの意図するところを汲み取ることが必要であり、
囃子方と呼吸を合わせ、能一番を創り上げていかなければなりません。

金井先生曰く、
「かつて、先輩の良い地頭でシテをした際、舞っているというより
舞わされていると感じた」とのこと。

いわば地頭は、能一曲の指揮者であり、演出家であり、総監督であると
言えます。

※金井先生が地頭をされる際は、どのような演出手腕を発揮されるか、
 弟子には別の楽しみがありますね。

式能

能楽協会が年に一回行っている催しです。
(2014年で第54回を迎える)

江戸式楽(※)に乗っ取った翁付五番能で、五曲のお能を、
五流すべての流儀が一番ずつ務めます。
由緒正しいやり方であると共に、他流と舞台を同じくする、
いわば立ち合い(勝負)の様な、緊張感のある催しです。

※式楽-公儀の儀式に用いる音楽や舞踊。
        主として江戸幕府における能楽をさすとされる

俊寛

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錦戸(にしきど)

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白頭(はくとう)

通常、黒塚の後シテは、前シテで使った鬘のまま面だけ
変えるところ、「白頭」では面を変え白い頭(カシラ)を付けます。
また、扮装が変わるだけでなく型も変わります。
そして「白頭」は位も重くなります。

白髪=年を取っている、老体(ろうたい)と思われますが
そうではなく、「臈体」(ろうたい)と思って頂くと良いと思います。
蓬髪で迫力があり、鬼女にはしっくりきます。

盤渉(ばんしき)

盤渉調という音階で、特殊演出に使われます。

(笛(能管)の曲の類型を表す用語)

華やかさ優美さを増す効果があります。

序の舞の笛の音色であり、西洋音楽でいえば1オクターブ高くなっている状態です。

三井寺(みいでら)

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番外編

金井雄資師直弟子でかたばみ会(前橋藤門会)会員による

宝生流謡曲(日本の古典芸能)のリズムについての知識を紹介する

ブログです。 http://ameblo.jp/utai-club

 

初級の方も、もっと極めたい方も、どのレベルの方でもためになる知識が

満載(となる予定)です。

 

ブログはまだ始まったばかりですが、これからの展開が楽しみです。

謡ひに関連したブログであることから、「能楽いろは」の番外編として、

ご紹介させて頂きました。

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