・ご自身が感じられる「石橋」の難しさはどのような点でしょうか
本曲において言葉は不要です より強く、高く、早く、堅く、勿論のこと型を乱さず美しく…ということに尽きます
・初同からクリ、クセと繰り返し語られる橋の狭さ・谷の深さ・苔の滑らかさは、どのような効果をもたらしていると思われますか
石橋の向こうとは、謂わば涅槃であり、六道輪廻からの解脱、つまりまず死ぬことを意味しておりますから、しっかり人生を見つめ直して修行を積み直しなさい、易い道ではないですよ…と言ってる訳ですね それが能楽師としての道程とも重なっているわけですが、後半、シテ:獅子が思う存分に橋の上で勇壮に舞い、修行の成果を発揮しなければならないという芸事上での戒めになっていると思います
・その中でも謡の聴き所はどこだとお考えですか
クセ「虹をかける姿」あたりは特徴的な謡で石橋の特別感を演出します そして後の「獅子団乱旋の〜」からは血反吐を吐くごとく、と言い伝わる、悲壮なまでに激烈な箇所です 謡宝生の思想性を強く反映していると言えるでしょう